まだ大丈夫と思っていた天窓からの雨漏り。原因と補修方法を紹介します
屋根に作った窓なので、雨漏りしやすいことは初めから承知のことかもしれません。高い位置から入る光は心地よいのですが、メンテナンスを忘れて放っておくと雨漏りリスクが高まります。雨漏りはポタポタ水が落ちてくる現象だけではありません。天窓が雨水の侵入経路となる雨漏りで起こること、原因と補修方法についてお伝えします。
天窓から雨水が入るとどうなるか?
雨漏りは大雨の時にポタポタ水が落ちてくる、そんなイメージですね。イメージ通りの雨漏りもありますが、しみこむようにじわっと水が広がるものもあります。
天窓は高い位置にあるため近くで確認することが難しい場所です。そのため雨漏り被害が静かに進行してしまい、気が付いた時にはクロスがはがれ、ボードが腐食していることも。修繕工事する際には室内に足場を組む必要が出てくることも多くなります。
また天窓は結露しやすい場所でもあるため、雨漏りなのか結露水によるものか見極めが必要です。雨が降った後に起きたかどうか、結露しやすい時期に起きたのかどうか、状況を把握しておきましょう。
天窓が発生源となる雨漏りの原因
一戸建て住宅の屋根や外壁は、晴れた日には紫外線に当たり、天気が崩れると雨や風を受け、日々劣化が少しずつ進んでいきます。天窓における技術は進歩していますが、年月が経つと雨漏りリスクが高まります。どのような個所から何が原因で雨漏りするか確認していきましょう。
シーリングの劣化
天窓の枠とガラスの間をつなぐシーリングが劣化すると雨水がしみこみます。シーリング材は気温による膨張収縮を日々繰り返し、紫外線によるダメージを受けているのです。古い輪ゴムを想像するとわかりやすいように、劣化が進んだシーリング材は伸縮性が失われ断裂しやすくなり細かい割れ目が入ります。その断裂に沿って水が雨水がしみこむのです。
シーリング材によりますが、耐用年数は10から20年が目安です。技術は日々進化しているため、メーカーによっては20年保証をするものもあります(日本ベルックス|スカイビューシリーズ)
施工不良
屋根に穴をあけて天窓を設置するため、複雑な作業を丁寧に行う必要があります。防水テープや金属板の水切りの施工が正しく行われていない場合、数年後に不具合が起こることも。10年経たずに天窓からの雨漏りが起きる場合、初期不良かどうか調べていくとよいでしょう。
堆積物
屋根の上に木の葉や枝などが落ちてくる環境の場合、屋根材と天窓の窓枠の間に堆積物として溜まることがあります。天窓の周りには雨水の排出がうまくいくように水切りと呼ばれる金属板が設置されますが、堆積物があると排出が追い付かなくなってしまいます。すると、水切り板の無い部分に雨水が流れ込み、それにより雨水が屋根にしみこむのです。
屋根のメンテナンスや点検時に堆積物を取り除くことで予防することができます。
ガラスのひび割れ
いつの間にかできていた天窓ガラスのひび割れ。何か物がぶつかってできることもありますが、ガラス内での温度差で熱割れがおこることも。熱割れによってできるガラスのひび割れは気づきにくく、雨漏りによってはじめて気が付いたというケースもあります。
天窓由来の雨漏り原因
- ガラスと窓枠の間をつなぐシーリングの劣化
- 初期施工不良
- 窓枠と瓦の間に木の葉などが堆積し、水切りをこえて雨水があふれてしまう
- 熱割れや破損によるガラスのひび割れ
天窓の修繕方法
雨漏りの原因それぞれによって修繕方法が異なります。
- シーリングの劣化
経年劣化したシーリングは新しいシーリング材に取り換えていきましょう。今回の補修を応急処置的なものにするか、しっかりと補修するかによって工事内容が変わります。今後のお住まいの修繕計画に合わせて考えていきましょう。
- 施工不良
初期不良による雨漏りの場合、なるべく早く修繕を頼みましょう。瑕疵保証の期間と範囲内容を確認してみるとよいですね。
- 堆積物
天窓の窓枠よりも外側から起こる雨漏りとなります。堆積物を除く際には屋根の上に上がる必要があるため、プロに依頼したいところです。定期点検や修繕を依頼している業者や信頼できる専門家に相談していくとよいでしょう。
- ガラスのひび割れ
ガラス自体を取り換える必要があります。熱割れしやすいガラスがあるため、ガラスの性能を再確認して選択していきましょう。
まとめ:目が届きにくい天窓は定期点検が有効です
家での過ごしやすさ、快適さにこだわる暮らし方を見直す人が増えています。そんな中、天窓の存在は一戸建て住宅の住み心地の良さを向上させていることでしょう。トップライトがあることで近隣からの視線を気にすることなく自然光が得られ、薄暗い奥まった部屋でも明るくすることができます。
心地よさや快適さというメリットがある一方で、メンテナンスが必要で雨漏りリスクとなるデメリットを持つ天窓。一度雨漏りのようなトラブルが起こると、天窓をふさぐことを考えるかもしれません。しかしトラブルはもうこりごりと思い、天窓をふさいで後悔する声も聞かれます。
天窓から雨漏りを起こさないためには、専門家の定期点検を取り入れてみるとよいでしょう。数年に一度や大雨や強い台風の後、家全体の状態をチェックする習慣作りがおすすめです。
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