雨どいの適正な交換時期は築20年!?本当に必要なのかという本音
快適な生活をおくる為に、雨樋は住宅には欠かせません。
外壁塗装のついでに雨樋の交換もすすめられたりしますが、実際に雨樋の交換時期って何年なのでしょうか。また、どの様に修繕していくことがおすすめなのでしょう。
雨樋を交換する時期が築20年って本当??
雨樋にも様々な種類がありますが、交換時期のお勧めは20年から25年と言われております。
その主な理由は、雨樋の多くが素材を塩化ビニール(塩ビ)で製品化されていますので、太陽の光、紫外線に弱いという特徴があるからです。
新築の時の雨樋は新品ですから、この塩ビ素材でも弾力性があり痛む事はありません。しかし、築10年以降から紫外線の劣化が進み、築年数が20年前後たつと、割れたり、変形してしまったりなどの障害が出てくるのです。
そんな中、私は現場で検査員をはじめ、リフォームや新築など住宅の仕事をしておりますが、私の雨樋持論をお話させていただきますと・・・
「雨樋は20年で交換する必要までは感じておりません、、、」
その理由を次に説明させていただきます。
雨樋の役割と2つのポイントとは?
雨樋は、雨水をルートに沿って排出させる為の役割です。
逆に言えば、まずは雨樋の役割であります雨水が流れていればOKなのです。
たとえ築年数が30年経っていたとしても、外壁塗装を行う度に塗装を行っていけば、塩ビ素材が塗膜にとって保護されますので紫外線の傷みから防いでくれるのでとても長持ちしてくれます。
ただ、塗装も普通のペンキで塗られてしまうと剥がれてしまったり、耐候性は少ないです。
雨樋塗装を行う場合は、ウレタン塗料を使用して塗装することで少しの材料費追加で長持ちする雨樋にすることが出来るのです。
1 雨樋は雨水が適切に排出されていればOK!
2 雨樋を長持ちさせるためには、ウレタン塗装で紫外線保護をしましょう!
雨樋の役割が果たせなくなった時の問題は?
雨樋の役割が果たせない時のデメリットは、オーバーフローといって、雨どいから雨水があふれ出る事です。
あふれ出ることによって、本来、入ってはいけない壁の中に雨水が入り込み腐ってしまったり、睡眠時に音が気になって深い睡眠がとれなくなったりすることがあります。
また、落葉や土埃がマスに溜まってしまうことで、状態はより悪化します。
雨どいの不具合については、思いの他気が付かないものですから定期点検が必要です。
雨樋を交換しなければいけなくなるときの状態は?
本来であれば、雨どいの修繕というのは、出費を抑えながら快適に生活をしていきたいものです。
しかし、どうしても雨どい交換をお勧めする状態の壊れ方もあります。
それは次の2つになります。
1 割れてしまっている場合
割れてしまうと雨水が流れ落ちてしまうため、雨がかからない場所にもかかってしまい家の傷みが大きく進行してしまいます。
また、夜などは、その雨音などが気になってしまい深い睡眠が取れなくなるなど、健康にもよくありません。
2 横樋が広がってしまっている場合
雨樋の中には、縦樋と横樋というものがあります。屋根の水を受ける横方向の雨どいが横どいです。
その横樋についてですが、大雪が降ったりして雪が溜まると、重みで変形してしまうことがあります。
それ以外にも、「紫外線で劣化」⇒「風化」⇒「夏の猛暑や降雪」⇒「タワミや変形」といった形で広がってしまうこともあるのです。
こうなってしまうと、勢いよく雨は降った時は、雨樋から雨水が溢れます。
隣の家にかかってしまったり、雨水が跳ね返ってしまうことで屋根裏や室内に入り込んで構造材を腐らせてしまう事もあるのです。
見た目は問題が無くても、内部で腐りが進行すると修繕費用が高額になってしまうこともありますので、このような場合は対処は早めをお勧めいたします。
雨樋を交換を検討するか迷う場合
雨樋の交換をしても良いのですが、しなくても問題が無いと思われる、迷う場合もあります。
1 雨樋のはずれ
元通りに治すことが出来て、雨水が問題なく排出されるのであれば交換は不要です。
2 20年以上経過した雨樋
こちらも、雨水が適切に排出されているのであれば交換する必要はないと思います。
ただ、後々雨どいの寿命で交換をしていく場合は、足場が必要なケースもありますので、それを先に見越して交換していく事は事前対策として良いと思います。
つまり、雨樋は雨水がきちんと排出されれば本来は問題は無いのです。
一方、このような状態でも、雨樋交換をオススメしている雨どいもあります。
それが、「丸樋」という、半円形の雨どいをお使いの方です。
なぜ交換をした方が良いのか?というと、近年の夏に発生している「ゲリラ豪雨」の存在です。
ゲリラ豪雨は非常に強い雨が短時間に降ることで、雨どいを飛び越えて雨漏りを起こしてしまうケースが多々発生しているのです。
20年前には無かったような雨の降り方や、冬も雪の降り方が強まっています。
実は、それらの災害に対応した「角樋」の方が、住宅の方が傷みが発生せず、修繕費を抑えることが出来るのです。
また、丸樋では跳ね返り雨水が多かった建物も、角樋によって跳ね返りを少なくすることが出来ます。
これは、お家を長く使っていくためにはメンテナンス費用を削減する方法なので効果はテキメンでおすすめです。
角樋:角型の雨樋のことで、水量を多く流せる為、最近の気候にあっています。
雨樋を交換するポイント
1 雨樋を交換する場合は、「受け金具」の量を増やしましょう。
受け金具の量はよく施工不良が多い部分です。
この金具が少なかったりすると雪の重みなどでたわみやすくなってしまいます。
実際に、メーカーなどの仕様書には受け金具の取り付け幅は600mmと指定されていても、1.5倍の900mmで施工されるなどの不良施工もあります。
(私の家なら、追加で材料費を支払っても450mmピッチで施工させて安心を買いたい!)
樋持ち金具が少なく、たわみやすくなってしまいます
2 交換する時場合、部分交換か全部交換かを決めましょう。
部分交換となると、一部だけ新しくなって景観は損なうというデメリットがあります。
しかし、実際には方位によって雨どいの傷み方も違います。
面ごとに雨どい交換をしていくのも、予算を下げる方法として有効です。
もし、交換をしていくのに足場が必要であれば、外壁塗装と一緒におこなったり、雪止めを設置したりすることもトータル的に割安に工事を行うことが出来ます。
ちなみにi-sumu塗装では、外壁インスペクションを実施して劣化原因を突き止めることで、全体的に上手にコストを削減したり、この先5年~10年を見据えたアドバイスを大切にしています。
もしも劣化原因が突風や雹(ひょう)豪雪、などの被害によって発生した損害だった場合は、火災保険で修繕することが出来ますので、気になる方はご相談ください。
雨樋は20年で交換すべき?まとめ
雨樋は「水が流れる」ことが重要であり、20年経過したから必ず交換というわけではありません。
一方、雨どい不具合は、知らないうちに家の構造を痛めてしまうケースもあるので注意が必要です。
お家のメンテナンスはマメに行いたいものですが、実際にはなかなかそうもいかないものです。
修繕計画の一つのきっかけとして、雨どいの様子を確認してみて、もし気になっている方は、お家全体の定期点検や私たち診断士からのアドバイスをぜひ参考にしてみて下さい。